静脈疾患を合併したリンパ浮腫

静脈疾患を合併したリンパ浮腫

 

リンパ浮腫の発症や悪化の原因を考えるうえで、もう一つ重要なのは静脈のはたらきです。

 

静脈はリンパ管よりもはるかに多くの血液を運んでいます。

 

そのため、静脈の障害が起こると、静脈のうっ血が生じて強い浮腫がみられます。

 

子宮がん手術後のリンパ浮腫で患肢側に手術や放射線治療が原因と思われる骨盤内の静脈の狭窄(狭くなった状態)を認める症例があります。

 

また、もともと片足に静脈瘤をもっていた患者さんが婦人科の手術を受けたあと、静脈瘤のある側のほうがむくんだ、という話もよく聞きます。

 

静脈のはたらきは浮腫に強い影響を与えます。

 

すなわち、静脈内に血液がたまると静脈側の毛細血管の圧力が上昇し、毛細血管から血漿成分が漏れ出しやすくなります。

 

するとリンパ系が処理すべき組織間液が増加するので、リンパ浮腫発症の引き金になると考えられます。

 

手術後何十年もたってからリンパ浮腫を発症したような場合にも、この静脈のはたらきがかかわっている可能性があります。

 

高齢になって心臓のはたらきが悪くなると、静脈のうっ血がみられたり、筋力の低下により、静脈やリンパ管のはたらきを助ける筋肉ポンプの作用がおとろえてきます。

 

これが静脈内の血液の流れを悪くし、リンパ浮腫が悪化する引き金になる、と考えられるのです。

 

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