局所的なもの

リンパ浮腫

 

リンパ浮腫とは、

 

「手術や放射線治療または外傷などでリンパ管が傷つけられたり、生まれつきリンパ管の発育が悪いことが原因となってリンパの輸送ができなくなり、本来リンパとなって運び去られるはずのたんぱく成分の多い体液が組織間に残ってむくんだ状態」

 

です。

 

リンパ浮腫は、手や足以外にも、顔面や胸腹部など全身どの部位にでも発症する可能性があり、実際に顔面や頭部(くび)だけのリンパ浮腫もみられます。

手術後などにみられるリンパ浮腫

 

手術後などにみられるリンパ浮腫

 

リンパ浮腫の原因については、解明されていないことがたくさんあります。

 

ここでは手術後にみられるリンパ浮腫を例にあげて、現在考えられているリンパ浮腫の原因について説明します。

 

正常なリンパ管は、リンパ末端で吸収されたリンパをリンパ毛細管→前集合管→集合管という経路で運び、途中でリンパ節を経由することにより徐々に太くなります。

 

このリンパの流れが、どこかで手術や外傷などにより切断されたり損傷ぶれたりすると、いままで流れていたリンパの流れがとぎれ、そこから末梢の側にリンパがたまってむくんでしまいます。これがリンパ浮腫です。

 

リンパのむくみには、ほかの要因もかかわっています。

 

まずリンパ管には自動運動能があるため、リンパの流れが途切れたあともリンパが運ばれてきます。

 

その結果、リンパ管はゴム風船に水を送り込むような状態となり、パンパンにふくらんでしまいます。

 

また正常でははたらいていた逆流防止弁も、リンパ管自体が広がるために壊れてしまい、リンパが末梢側に逆流するようになります。

 

この逆流は、前集合管からリンパ毛細管へ、つまり皮膚の表面に向かってもみられるので、組織にたまった体液がリンパ末端から十分に吸収できなくなります。

 

こうして体液が皮膚や皮下組織に過剰にたまって、むくみが現れるのです。

 

以上のようなリンパの「輸送障害」と「逆流」とが、リンパ浮腫の発症にかかわっている、と考えられています。

 

もう少しわかりやすくするために、リンパ浮腫を「大地震などで土砂崩れが起き、川が急にせき止められ、ダム湖ができている状態」と説明することがあります。

 

湖にたまった水が上流の木々を水浸しにしてしまっているのです。

 

では、同じような手術をしてもリンパ浮腫を発症しない人がいたり、両足がむくんでもおかしくないのに、片足だけがむくむ人がいるのはなぜでしょうか。

 

それは「リンパ管は動脈や静脈よりも細かいネットワークが発達しており、切断されたリンパ管の川辺に正常なネットワークがあれば、そちらに迂回してリンパを運ぶことができる」と考えられています。

 

先のたとえでいえば、ダムから水を抜く水路がもともとあるかどうか、ということになります。

原因不明のリンパ浮腫

 

手術などの原因がなくて発症するリンパ浮腫もあります。その原因を推測してみましょう。

 

生まれつきむくみがみられる患者さんや、高齢になってはじめてむくみがみられ、リンパ浮腫と診断される患者がいます。

 

出生直後からむくんでいる場合には、生まれつきリンパ管の発達が不十分で、リンパをほとんど運ぶことができないと考えられます。

 

なかにはリンパ管の発達が少し悪いまま生活している方もあるかもしれません。

 

そのような場合でも、運ばれるべきリンパの量がリンパ管の運搬能力よりも少なければ、むくみは出ないと考えられます。

 

しかし、ねんざや骨折などの外傷や内出血などがあると、処理が必要な局所の体液が増え、結果としてリンバが増えてしまいます。

 

すると、運びきれないリンパが外傷や内出血を起こした下肢や上肢に残り、リンパ浮腫を発症すると推測することができます。

 

ところで、原因不明のリンパ浮腫を発症する患者さんは思春期頃の女性が多いことから、リンパ浮腫に女性ホルモンのバランスがかかわっている可能性もあります。

 

また、妊娠・出産もしばしばむくみのきっかけになります。つまり、原因不明のリンパ浮腫は女性に多い病気なのです。

 

このうち妊娠中のむくみについては、骨盤内に赤ちゃんが入るとまわりの静脈やリンパ管が圧迫されるため、とくに足がむくみやすくなります。

 

このとき、静脈やリンパ管の弁が圧力に負けてこわれた場合、静脈であれば血液の逆流により静脈瘤を発症しますが、リンパ管であればリンパの逆流によりリンパ浮腫を発症する可能性かある、と考えられます。

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